ネタバレ「天気の子」あらすじ|評価が分かれるラストは新海誠監督の狙い通り?

興行収入3.55億ドル(約382億円/2019年7月19日現在)。日本映画として、世界歴代興行収入1位となった『君の名は。』から3年、新海誠監督の最新作『天気の子』がいよいよ公開されました。

あれだけの大ヒット作となれば、制作側のプレッシャーは計り知れなかったと思います。全く関係のない立場の私が余計な心配をしてしまうほどです。

しかし、まさに余計な心配、杞憂でした。

そこには“新海ワールド”と称される美しい世界が広がっていました。ラストシーンは賛否両論分かれるところですが、新海監督がそれも計算に入れた上で描かれた作品です。

さて、気になる

  • 天気の子』のあらすじとは?
  • 前作、『君の名。』との関係は?

について公開日である2019年7月19日の初回上映を鑑賞して来た筆者が、独自の視点からあらすじと感想を述べてまいります。

(注意)ストーリーの核となる部分のネタバレはしないよう細心の注意を払いますが、説明上、細かな描写が必要な箇所もあります。まっさらな状態で映画をご覧になりたい方はこのまま映画館へ足を運んでください。

と言いつつ、『天気の子』はネタバレしても、あの画とRADWIMPS(ラッドウィンプス)の音楽があってこそ成り立つものなので、映画館で筆者のように鳥肌立ててほしいです。

1.『天気の子』あらすじ(ネタバレ注意!)

聞き慣れた雨の音と高層階から眺めるどんよりとして雲が垂れ込めた東京都心の景色で物語の幕が開ける。

眼下に響く電車の音。ふいに「ピッピッ」と緊張を帯びた電子音が入ってくる。
どうやらここは高層階にある病院の一室のようだ。降り続く雨を病室の窓から恨めしそうに横目に見る少女。傍らには中高年の女性が眠っている。

その時だ。

分厚い雲の隙間から一筋の光が差し込む。まるで光の水溜りのような“その場所に少女は引き寄せられ、病室を飛び出した。

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離島から東京に向かって海上を走る船は、悪天候のせいか大きく揺れている。いよいよ黒い雲に覆われると、館内放送が船内への移動を呼びかける。

甲板で海の風を気持ちよく浴びていた乗客たちは足早に船内へ入っていく。その流れに逆らうように一人の少年が乗客たちの間をかき分けて進む。

甲板で強い雨に打たれならが、歓喜の雄叫びをあげる少年。視線の先には一筋の光があった。

とその時、高波をかぶった船が大きく揺れ、少年は海へ投げ出されそうになる。甲板上に流れ込んだ海水に足元をすくわれ、なすすべもなく飲み込まれていく少年の手を掴んだのは、無精髭を生やした男だった。

少年は“命の恩人”であるその男に、船内の高い料理とビールを振る舞う。「何かあったら連絡しな」と名刺を渡されたが、「命の恩人とはいえ、こんな子どもにビールをたかる大人なんかの世話になるもんか」と心の中で誓ったのだった。

雨の東京に着いた少年は、早速アルバイト探しに走る。しかし、いくら大都会東京とはいえ、身元もはっきりしない少年を雇ってくれるところはない。何しろ、16歳の子どもだ。

見る見るうちに所持金は減り、気づけば3日連続、夕食は同じファーストフード店のハンバーガーだ。4日目の今日も同じファーストフード店でアルバイト探し。

疲れ果てて、テーブルに突っ伏していると、頭の横に何かが置かれた。いつものハンバーガー?今日はまだ注文してないはずだ。

店員の少女がいたずらに笑う。「あげる。秘密ね」

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途方に暮れた少年はついに、あの名刺の男に電話した。男に指示された場所は、潰れたスナックを事務所として使っている編集プロダクションだった。社長?の男と、アシスタント兼愛人?の若い女性の2人で切り盛りしている様子。

少年はその場で、半強制的に編プロのライターとして働くことになる。とはいえ、実際には他に行くあてもなかった。

訳も分からぬまま現場に体当たりで臨みながら、雑用係もこなす少年。東京に来て以来、初めて誰かとご飯を食べたり、笑ったり。そして頼られたり。かつて、島での生活で感じていた窮屈さがなくなっていた。

少年の仕事はオカルト雑誌向けの取材と執筆だった。嘘か誠かの証明のしようがない世界の話を取材する日々。そんなある日、少年は晴れ女の噂を耳にする。

晴れ女について確信的な情報を得られないまま取材を続けていたある日、少女が明らかに表の世界の住人でなさそうな、2人の男に連れていかれる現場に遭遇する。よく見ると、あの時ハンバーガーを暮れた店員の少女だった。

ただならぬ雰囲気を感じ取った少年は、突然少女の手を掴んで走り出した。うまく振り切れずに捕まった少年は男に馬乗りされ、殴られる。

絶体絶命のピンチに、東京に来て間も無くたまたま拾ってお守りがわりに持っていた拳銃のおもちゃのことを思い出す。馬乗りされたままカバンから取り出すと男に銃口を向けた。おもちゃでバカにするなとあざ笑う男に、少年は思わず引き金を引く。

ドンッ。

鈍い音が土砂降りの雨を切り裂いた。幸い男に当たらなかったものの、呆然として動けない。少年と少女はその隙をついて逃げ出した。

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廃墟ビルに逃げ込んだ少年と少女。発砲した少年に対し、少女は激しく非難する。しかし、互いの身上、そして心情を理解した2人はわかり合った。

「森嶋 帆高(ほだか)、16歳。」

「え? 16歳? 私は来月で18。私の方が歳上だから敬語を使いなさいよ。」と天野 陽菜(ひな)は言った。

帆高が心の奥に何かを抱え、家出をして来たらしいことを察すると、陽菜は胸の前で手を組み祈りを捧げる。

「東京に来てからずっと雨でしょ? もうすぐ、晴れるよ」

何を言い出すのかと、帆高が呆気にとられる間も無く、陽菜の周りの水気がまるで空に帰って行くように動き始めた。そして真っ黒な雨雲から、いつかの船上で見たような一筋の光が差し、同心円状に光の輪が広がって行く。

「晴れ女だ」帆高がポツリと呟いた。

美しく太陽に照らし出されたその景色は、帆高が東京に来てから初めて見る景色だった。

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陽菜がファーストフード店をクビになり、金銭的に困っていることを知った帆高は、“晴れ女の能力”を使って、お金を稼ぐことを提案する。

半信半疑で始めたが、陽菜の晴れ女の力は絶大で、あっという間に人気サービスになった。

天気というのは不思議だ。

“空模様で気持ちが動く”
“空と気持ちは繋がっている”

特に降り続く雨が止み、光が差す様は“街が華やかな服に着替えて行くよう”に美しかった。

晴れの天気に喜ぶ人々を見て、陽菜は“自分の役割のようなのがわかった”と充実感を覚えていた。しか

し、この頃から東京では不思議な現象が目撃されるようになる。

水の魚のようなものが目撃されたり、超局所的にこれまで以上に豪雨が襲ったり。空の意思に反して腫れをもたらす行為は、世界に歪みを生んでいるようにも思えた。

ある日、大きなイベントを晴れにした模様がテレビに映ってしまった陽菜。また自身も疲れを感じていたことから、予約済みの依頼をもって“晴れ女業”を休止することを決める。

次の依頼人は、昨年亡くなったご主人の初盆を晴れで迎えたいと願う老婦人だった。そこで帆高たちは“迎え火(むかえび)”の話を聞く。

故人がお盆の時期に迷わずに帰ってこられるようたく火。その煙をまたいで帰ってくると言う。この世とあの世が煙によって結ばれる。それを聞いた帆高は、空と地を結ぶ陽菜のようだと思った。

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“晴れ女業”の休止により訪れた平穏な日々…とはいかず、むしろ事態は急展開、悪化して行く。

家出少年である帆高は拳銃発砲の件も絡み、お尋ね人に。陽菜と弟の凪(なぎ)は、未成年だけで暮らしていることが警察や児童相談所にバレ、保護対象となる。

3人の思惑、何より一緒にいたいという気持ちが勝った帆高たちは逃亡を決意。途中、警察に捕まりそうになるピンチに見舞われながら、陽菜の天気をコントロールする力により、なんとかホテルに辿り着く。

最後の晩餐と言わんばかりに、ホテルのスイートルームに備え付けられた自動販売機のインスタント食品を贅沢に食べ尽くす帆高たち。

時計が12時を回ったその日は、陽菜の誕生日だった。

帆高がこっそり用意していた指輪を渡すと、陽菜はとても喜んだ。と同時に、陽菜の異変に気付く。陽菜は覚悟を決めたような顔をすると、ガウンを脱いで…

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ここから先は、一層スピーディーかつ心が締め付けられるようなストーリー展開となります。クリアマックスはぜひ、壮大な情景美と迫力ある音楽を五感すべてで感じながら、劇場で見て欲しいです。